『ルックバック』、ヴェネチアの喝采を経て日本の観客へ

ヴェネチア国際映画祭のサラ・グランデで、『ルックバック』のプレミア上映後の是枝裕和監督と主演の出口夏希さん、蒔田彩珠さん。
藤本タツキの漫画を実写化した映画『ルックバック』が、映画祭でのプレミアを経て、日本での劇場公開を迎えた。親しまれてきた物語を、是枝裕和監督がどのような映画表現で描き出したのか。その答えを、今、日本のスクリーンで確かめることができる。
2026年9月7日、本作は第83回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で公式上映された。上映後には約1,000人の観客から12分を超えるスタンディングオベーションが送られ、主演の出口夏希と蒔田彩珠が涙を見せる場面もあった。作品を国際舞台に届けたチームにとって、海外の観客から温かな反応を受け取る、意義深い機会となった。
(出典:シネマトゥデイ、ORICON NEWS)
日本では9月11日に全国公開。監督・脚本・編集を是枝裕和が手がけ、藤野を出口夏希、京本を蒔田彩珠が演じた。二人の子ども時代を演じるのは、七瀬ふうりと岡田六花。さらに、菅田将暉、宮藤官九郎、野呂佳代らが出演している。上映時間は99分。
(出典:映画.com)
10月3日時点で確認したユーザー評価は、Filmarksで5点満点中4.0、映画.comで3.8となり、映画.comには519件のレビューが掲載されている。両サイトの数値からは、投稿したユーザーの間でおおむね好意的に受け止められていることがうかがえる。ただし、日本の観客全体の意見を示すものではなく、評価や件数は新たな投稿に伴って変動する。
(出典:Filmarks、映画.com)
原作ファンにとって本作は、自分自身が漫画から受け取ったものと、是枝監督の視点を重ね合わせる機会にもなる。藤野と京本の物語は、2024年に劇場アニメ化された。今回は俳優たちが、声や動き、間、そして画面の中に生きる姿を通して、その物語を伝える。出演者たちは撮影に向けて何か月も漫画を描く練習に取り組み、その成果の一部は本編にも使われている。
(出典:Nippon.com、Reuters)
本誌編集部は、『ルックバック』を、ぜひ映画館の大きなスクリーンで観てほしい素晴らしい作品だと考える。物語に丁寧に向き合う是枝監督の姿勢と、俳優たちの真摯な取り組み。その成果を、観客一人ひとりに直接受け止めてほしい。原作を読んだ人にも、初めて二人の少女の物語に触れる人にも、その出会いは開かれている...
文・写真:TETIANA POKHIDNIA
共同取材:樽谷大助

